1996年11月、新しい訪問販売法が施行された。この改正により、違法行為を行っているディストリビューターを取り締まれるようになった。禁止行為を行った者は末端会員でも、警察により逮捕され、懲役または罰金を科されるようになった。
この直後、アムウェイ(日本アムウェイ)の決算に悪化の兆しが現われる。同社は、1996年8月決算期に、売り上げ高2221億円、経常利益514億円と、過去最高の実績を達成した。しかし、次の97年8月期には、売り上げ高2038億円、経常利益420億円と、業績が急下降。98年8月期には、売り上げ高が1925億円と、2000億円の大台を割り込み、経常利益も272億円と、大幅に減少した。
こうした同社の業績悪化は、同社に不利なマスコミ報道が続いたためとみられている。しかし業績悪化の1番の原因は、アムウェイ(日本アムウェイ)・ディストリビューターらが抱いている、誰が逮捕されるか分からないという「不確実性」観にあると指摘されている。つまり、逮捕されてまでアムウェイにのめりこむこはないと、ディストリビューターが判断したのだ。
逆に言うと、ディストリビューターは常にそのような”疑念”を感じながら、その活動を行っていたといえる。
PR