田中さんの家族は、経済面から圧迫されただけではなかった。家庭から憩いや安らぎの時間と
場所が消え失せ、何もかもおかしくなって、精神的に追い詰められていった。
「部屋の作り付けの戸棚は、大型冷蔵庫2台分くらいの量もあるアムウェイ(日本アムウェイ)の在庫商品で占領され、本来ここに置くべき物が他に置かれていました。そのほか、販促用のカタログや、勧誘用のビデオ、カセットを入れたダンボール箱がいくつも部屋の中に置いてあって、家の中は倉庫のようでした。寝る場所にも不自由しました。 妻は朝起きると、昼に行うアムウェイ(日本アムウェイ)のミーティングに出かけるため、入浴や化粧で忙しく、朝食を作る時間がありませんでした。私が夜帰宅しても不在の時が多く、居た場合も昼間の疲れが出て、いつも先に寝ていました。しかし、それでも、夜の2時、3時に突然起きて、商品伝票の整理をしたり、自分のダウン・ラインに配るニュース・レターを作っていました。
日曜日や祭日は、私に気付かれないように音も立てずにすっと、
アムウェイ(日本アムウェイ)のセミナーやミーティングに外出。
私が風邪で40度の熱を出して会社を休んでいても、構うことなく外出。
息子の受験時期が追っているのに、東京から名古屋へ出張して、帰宅は夜の11時過ぎ。また、メモは置いてありましたが、事前に私に知らせることなく、大阪へ2泊3日、フィリピソヘ3泊4日と、勝手に出掛けたこともありました。 調理師免許を持っているのに、好きな料理もしなくなり、夕食の準備はほとんどしてくれませんでした。
夫婦間の会話もなく、常にギクシャクとしていたため、子供にも悪影響を及ぼし、子供が半月ほど登校拒否をしたことがありました。それでも、彼女はミーティングのため外出をし続けたのです。結局、わたしども夫婦は離れて暮らすことになり、別居生活が2年半近く続いています」 マルチレベル・マーケティングでのマインドコントロールを解く方法はないと言われている。
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